「中原街道と武蔵小杉」3 小杉御殿と小杉村

中原劇場

中原劇場入り口(川野時計店横)バス停前(昭和 46年)

川野建具店が中心となり、大正11(1922)年ここに芝居小屋を造った。のちに小杉館ともいわれたが、床張りで下足番がいて木戸銭を払い上へあがる。両翼には一段高い上等席があった。その後、床をはずして椅子席として中原劇場と改名、時々、映画もやったが諸会合にも貸与した。
一番賑やかだったのは昭和4(1929)年7月、川崎市・中原町の合併問題の頃だったという。
これに続いて、中原町議会改選のための演説会だった。その後、昭和10年頃までは賑わったが、次第に客足が遠のいていった。
映画も上映されるようになったが、あまり人が集まらず、戦後はポルノ映画やストリップ劇場に転業したが、客はあまり入らなかった。昭和40(1965)年に入ると、建物も老朽化したため取り壊した。跡地は長い年月、有料駐車場となっていた。

かつての中原劇場跡は有料駐車場となった。川崎市営バス停は「小杉四ツ角」だった(昭和 42年)

上写真と同じ場所、バス停が「小杉十字路」となった。中原劇場跡地とバス停、左側は川野時計店、勇鮨などあったが、しばらくして取り壊された(平成 10年)

小杉十字路(勇鮨と田辺内科)(平成12年)バス停左側の川野自転車店が残っているだけで全て取り壊されている。バス停は「小杉十字路」だ(平成 19年)


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