「中原街道と武蔵小杉」1 堤防で姿を消した90軒の集落

田中隠居所(こんにゃく屋)

読売多摩川寮の向いに、モルタル造り洋風の家があった。屋根の近くの部分に模様の飾りが付いている田中こんにゃく屋だ。
東京麻布で、こんにゃく屋をしていた先祖が昭和2(1927)年に隠居所として建てたもので、その頃、家の裏は桃畑が広がっていた。自然に恵まれたこの場所は、隠居所に適していたのだ。
昭和19(1944)年から、こんにゃく屋を開業し、品物は東京方面を中心にして近所の店にも卸していた。現在も、こんにゃくの製造販売を続けている。

上部の壁に模様が描かれている田中こんにゃく屋(昭和46年)

田中こんにゃく屋(田中商店)(平成20年)

土手より小杉方面の家並み(中原街道)。左側3軒目が田中こんにゃく屋、右は読売多摩川寮(昭和46年)

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