新小杉開発株式会社

新・小杉散歩

2022.04.27

大楽院

新丸子駅東口から綱島街道を渡り、多摩川方面へ向かう突き当りに位置する大楽院は、川崎七福神のうち、恵比寿神が祀られている寺として地域の人々に親しまれています。大楽院

奈良県長谷寺の直轄寺院で、日吉山大楽院神宮寺と号し、古くは日枝神社(山王社)の神宮寺も務めていました。文化・文政期に編まれた武蔵国の地誌「新編武蔵風土記稿」によると、境内には本堂のほかにいくつかの堂を構えていたようですが、度重なる火事により記録が焼失し、縁起は不明だそう。

御本尊は長谷寺と同じ「十一面観世音菩薩」。本堂の脇壇には、市重要歴史記念物に指定された「木造 釈迦如来坐像」が安置されています。

川崎市教育委員会のホームページによると、像の胎内には長文の墨書銘が記され、それにより本像が戦国時代に武蔵国世田谷と蒔田の地を領有していた吉良氏を継ぐ吉良氏朝とその家臣が造立したものと推定。1560~1590年頃(室町時代)に造立されたのではないかといわれているようです。

大楽院入り口の説明看板

釈迦如来坐像について書かれた、大楽院入り口の説明看板。

また、境内には1712年頃から多摩川の堤防近くの中原街道沿いにあったと伝えられている北向観音が安置されています。北を向いた観音像は珍しく、特別のご利益があるとされ、北向観音と呼ばれ人々から大切にされてきました。

北向観音

北向観音のお堂。

北向観音

1931年に多摩川堤防近くから移設された北向観音。
「中原街道と武蔵小杉」北向観音より

境内には鮮やかなツツジの姿も。

川崎七福神めぐりの時期に御開帳される恵比寿神。

今から250年程前、当時の商人・野村文左衛門が私財を投じて架けたという八百八橋。当時、小杉周辺には田畑のための小さな水路が村中にあった。

参拝に訪れる際は、ぜひこのような史跡や遺稿にも注目してみてください。
大楽院、北向観音については、下記のページにて詳しく書かれています。ご興味ある方はぜひご覧ください。
大楽院
北向観音

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